「もち米」

私たちが普段「ごはん」としていただいているのは、「うるち米」。おもちになるのは「もち米」です。でも「何が違うの?」「白玉粉と上新粉の違いは??」と、ちょっと疑問に思うことありませんか?このコラムでは、今さら人に聞けない地味な疑問に取り組むことで、もち米の魅力を伝えたいと思います。そう、私はもち米が大好きなのです!

うるち米ともち米の大きな違いは成分です。お米のでんぷんには「アミロペクチン」と「アミロース」の2つが存在しています。アミロペクチンは水に溶けないでんぷんで、アミロースは水に溶けやすいでんぷんです。うるち米のでんぷん比率は、アミロペクチン:アミロース=8:2。その一方で、もち米はほとんどがアミロペクチンで構成されています。アミロペクチンが多いほどもちもち食感になるんですよ。ちなみにサラサラした食味のタイ米は、アミロースが多い米になります。

スポーツ選手が試合や大会前におもちを食べるとよいとされるのも、いくつか理由があります。まず、もち米はうるち米よりも糖質を多く含むので、より効率よく糖質をとることができます。試合で最高のパフォーマンスを出したいのなら、試合当日の食事はたんぱく質や脂質を控え、糖質中心の食事がおすすめとされていますよね。アミロペクチンで構成されるもち米は、うるち米のごはんより消化に時間がかかるので腹持ちもよくなります。エナジードリンクやエナジーゼリー、バナナよりも腹持ちがよいのだから驚きですよね。糖質の多いおもちとあんこを組み合わせたおしるこやきなこもちがオススメになるというわけです。朝からどんぶりごはんはちょっと…という場合は、うどんにおもちを入れた力うどんもオススメ。身体も温まるので一石二鳥です。

  

続いて、上新粉と白玉粉の違いについて紹介したいと思います。上新粉はうるち米の粉末で、粒子の細かい片栗粉のような粉末。お湯で練ってから蒸し、蒸してから成形します。時間が経つと固くなりやすいのが欠点ですが、シコシコとしっかりした歯ごたえと歯切れのよい食感が特徴で、串団子や柏もち、草餅、ういろうなどはこれに該当します。それに対して白玉粉は、もち米のでんぷんの粉末。粒が大きい粉です。水でよくこねてから沸騰した湯で茹でて冷水にとります。透き通るように白く、つるつるもちもちの食感と、作りやすさも魅力のひとつ。冷やしても固くならないので、かき氷やあんみつなど冷たいスイーツにも合わせられるのも嬉しいポイントですね。さらに「もち粉」は、もち米を原料に、上新粉の製法(米を洗って乾燥させた後に細かい粉にする)で粉にします。きめが細かいので、求(ぎゅう)肥(ひ)や大福によく使われます。

 

パンやケーキなども美味しいけれど、おもちやお団子も美味しいですよね。日本人ですもの。お米のことをもっと知って、お米の美味しさを楽しみましょう。

参考 「白玉屋新三郎」WEB

オフィシャルメンバー:滝野香織

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