二十四節気に合わせて心と体を整える”小寒”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第88回は「小寒(しょうかん)」です。

1月5日~1月19日頃。年が明け、寒さの中にも太陽の温かさを感じられる清々しい日もありますが「寒の入り」と呼ばれるこの時期は、ここから寒さが本格化してきます。お正月の片づけをしたり、七草がゆをいただいたり、少しずつ日常生活を取り戻しましょう。今回のテーマは「黒豆」です。

黒豆といえばおせちの代表格ですが、筆者は黒豆煮が大好きなので、お正月以外でも1年中煮て食べています。黒豆は、全ての必須アミノ酸を含む良質のたんぱく質を持ち、食物繊維や鉄分も多く含み、皮に含まれるアントシアニンというポリフェノールは老化の原因とされる活性酸素を抑える抗酸化作用が期待できます。なかでも黒豆に含まれるアントシアニンの96%が「シアニジン-3-グルコシド」という種類で、このシアニジンは他の種類に比べ、より優れた抗酸化作用を持つことが、さまざまな研究からわかっているそうです。血管を丈夫にしてくれる上、がん予防も期待できる、そして内臓脂肪が付くのを防いで老化を遅らせてくれる、さらには疲れ目や視力低下まで予防が期待できる・・・と、まさに現代人に必要な栄養素なのです。

この黒豆に含まれる鉄分は、吸収されやすい「有機鉄」であることに加え、錆びた鉄くぎと煮るので鉄分の補給にもおすすめです。他にもイソフラボンなど書ききれないくらいの栄養成分や期待できる効果効能があり「もはや食べないと損!」というくらいなのですよ。

 

一方で黒豆は、薬膳の世界では風邪を取り除き、体内の湿を利尿により排泄するとされています。また血流の改善も期待でき、体内の潤いや血液を補いながら巡りを良くしてくれるのだとか。特に消化器・腎機能にアクセスしてくれるといわれていますので、むくみの改善にも黒豆を食べると良いですね。

昔から黒豆の煮汁を飲むと喉に良いといわれていますが、煮汁には多くのアントシアニンが溶けだしているからです。このアントシアニンには、喉の痛みを和らげる効果があるとされていますので、喉もうるおうし喉ケアにもおすすめ。薬を飲めない赤ちゃんや妊婦さんにも良さそうですね。

黒豆煮が苦手な方には、手軽に飲める「黒豆茶」がおすすめ。市販のティ―パックもありますし、炒り黒豆を煮出しても簡単に作れます。麦茶に似た香ばしさと、ほのかな豆の甘味が美味しいお茶なので、むくみを感じる時や、パソコン作業で疲れ目のときは特に良いと思います。「蒸し黒豆」という味付け無しの黒豆も市販品で販売されているので、サラダのトッピングにしてあげると、食卓でも簡単に取り入れられます。

黒豆は天然のサプリメント。食べないなんてもったいないです!今年は特に体調管理をしっかりして、免疫力アップが必要です。黒豆を毎日食卓にあげましょう!

参考 「寺尾製粉所」HP

オフィシャルメンバー:滝野香織

タグ

オススメコラム・特集

このコラムに関連するコラム