「二十四節気に合わせて心と体を整える“啓蟄”」

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。

第116回は「啓蟄(けいちつ)」です。

3月5日~3月20日頃、4月から変化していく環境に慌ただしい方も多いかと思います。気圧の乱れや乾燥で体調も肌も揺らぎがちになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回のテーマは「春の野菜をもっと身近に」です。春の野菜といえば山菜が思い浮かびますが、山菜ばかりが春の旬野菜ではありません。

春野菜に見られる独特な苦みは植物性アルカロイドやポリフェノールによるものといわれています。冬眠していたクマなど動物たちが春を感じて目覚めると、山菜のような春の草を食べ始めます。人間も同じように、冬の寒さを乗り切るために栄養を蓄えますが、それと同時に体内に老廃物を溜め込みやすくなる傾向があるようです。寒さや運動不足から代謝が落ちれば、老廃物は排出されにくい状態が続きます。春野菜を食べて栄養素を摂り入れることは、こうした不調を招かないようにしようという生物の自然の摂理なのかもしれません。

和食の世界では「春のさらには苦みを盛れ」という言葉があり、味覚の面でも春は苦みを欲するようです。とはいえ、ふきのとうやタラの芽など本格的な山菜を毎食食卓に出すのは、なかなか難しいですよね。春の野菜の中でも比較的調理しやすい野菜がこちらです。

〇アスパラガス

北海道の路地物は5月頃が旬ですが、早いものだと3月末から国産のアスパラガスが店頭に並びます。アスパラガスは若芽を食べる野菜。芽の部分にはアスパラギン酸が含まれます。アスパラギン酸は体調を整えてくれるほかにも生活習慣病をサポートしてくれるルチン、妊婦さんに欠かせない葉酸、元気な体の維持に必要なβカロテン(ビタミンA)、ビタミンEも多く含みます。野菜は鮮度が命ですので、切り口が乾燥していない、頭部分がイキイキとしたものを選びましょう。フライパンに少量の水を入れ、蓋をして蒸すと、青々とした風味が強く残り、シャキッとした歯ごたえで美味しくいただけます。

〇菜の花(なばな)

独特の風味が魅力的な菜の花は、豚肉やベーコンなど油脂分があって香りの強いものと合わせると、苦みや独特の風味が抑えられます。おひたしばかりでなく、炒めてもおいしいです。

〇たけのこ

穂先が黄色く、開いていないたけのこは、日に当たっていないためえぐみが弱いとされています。下茹でが面倒といわれるたけのこですが、水に浸けておけば1週間くらい冷蔵庫内で保存できるので、多めに茹でてしまうのもおすすめです。下茹でしたたけのこは、煮ものや炊き込みご飯だけでなく、オリーブオイル・にんにく・鷹の爪でペペロンチーノ風にソテーするのもオススメ。だし醤油にくぐらせてから天ぷらにするのも美味しいですよ。

〇セロリ

茎が白いものは柔らかく、緑のものは香りが強めといわれています。苦手な方も多いですが、おすすめしたいのがミートソースに加えること。本格的な味わいが楽しめるミートソースになるので、ぜひ試してみてください。葉の部分は刻んでチャーハンにすると美味しくいただけます。

菜の花と豚肉の生姜焼き

<レシピの詳細は画像をタップしてください ↓↓↓>

毎日グリル部でも春野菜を使ったレシピを公開しています。

健康を維持してくれる春野菜。毎日何かしら食べて、体調を整えてくださいね。

参考:「独立行政法人 農畜産業復興機構」WEB

「JAグループ」HP

オフィシャルメンバー:滝野 香織

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