2022.8.1UP
果糖ブドウ糖液糖について知ろう
“果糖ブドウ糖液糖”この言葉を聞いたこと、見たことがある人は、スポーツドリンクやジュースの成分表示を読む方か、食品に興味がある方かと思われます。
聞いたことがない方も自分の身体に入るモノですので、ぜひこの機会に覚えておくとおすすめですよ。
まずは果糖ブドウ糖液糖について。ブドウ糖液糖とは、甘さを目的にでん粉を酵素でブドウ糖に分解し、ブドウ糖の一部を酵素によって“果糖”に変えた液体の糖です。
「異性化糖」の一種で、食品添加物ではなく天然甘味料と分類されます。甘味度は砂糖と同程度。クセのないさっぱりとした甘さが特徴です。果糖ブドウ糖液糖の歴史を遡ると、1960年代の日本生まれ。トウモロコシやさつまいものでんぷんから作られるため、各国の農家の収入源でもあります。アメリカでは、トウモロコシから作られたコーンシロップがメジャーです。
果糖ブドウ糖液糖が使われる理由
砂糖と同じ程度の甘さなのに加藤ブドウ糖液糖が使われるのは、以下のような理由があります。
1.果糖は低温で砂糖より甘みが強くなる。そのため果糖ブドウ糖液糖は冷たい状態で飲む清涼飲料水に使用される。
2.甘さのキレが良い。
3.砂糖より価格が安い。
果糖ブドウ糖液糖による健康被害は?
2004年にAmerican Journal of Clinical Nutrition(AJCN)誌にて発表された「米国内における果糖ぶどう糖液糖と肥満の発症との関係を調査した研究」によれば、果糖ぶどう糖液糖の消費の増加は、砂糖より肥満の原因になりやすいそうです。
この発表をきっかけに、果糖ぶどう糖液糖がさまざまなメディアで取り上げられるようになり、果糖ブドウ糖液糖は矢面に立たされます。
ところが2008年、米国医師会(American Medical Association : AMA)はAmerican Journal of Clinical Nutrition (AJCN)誌にて異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)としょ糖を比較した場合、代謝の違いはほとんど見つからなかったということを発表しています。
異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)の消費量の増加や肥満との繋がりについて否定したものの風評被害は続き、果糖ブドウ糖液糖を減らす・やめることを宣言する食品メーカーが称賛を浴びています。
しかしながらやはり、ブドウ糖と果糖が分かれて存在し、すぐに吸収されて急激な血糖値の上昇をもたらすのは事実です。また、果糖を摂取した場合、人間の脳はこれ以上必要ないという指令を出さないためにどんどん摂取してしまう傾向があるそうです。つまり肥満の原因になりやすいということですね。さらに血糖値が急激に上がるということは、たんぱく質と結合してAGEsいわゆる老化現象が起こることがあるみたいです。異性化糖は砂糖の20倍以上AGEsを生産してしまう、言い換えれば活性酸素を発生させ老化が進んでしまうのです。これは果糖ブドウ糖液糖のみに健康被害があるわけではなく、すべての甘味料に肥満の原因はありそうですね。
最後にひとつ気になるのは、果糖ブドウ糖液糖の原料になるトウモロコシは輸入ものが多く、そのほとんどが遺伝子組み換えのトウモロコシであるという事実です。
夏場、清涼飲料水を飲んだりアイスを食べたりする機会はどうしても増えてしまうもの。その時は成分表示をチェックして、果糖ブドウ糖液糖が多く入ったものを飲まないようにする努力をしてみましょう。甘味には依存性があります。血糖の急上昇は身体に負担がかかりますし、疲れてしまうことがあるみたいなので、健康のためにもぜひ成分表示を見るクセを付けてはいかがでしょうか。
参考:「サントリー」WEB
「よつばホームデリバリー」WEB
「たべるご」WEB
「東京原宿クリニック」WEB
オフィシャルメンバー:滝野 香織