二十四節気に合わせて心と体を整える“処暑”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第79回は「処暑(しょしょ)」です。

8月23日~9月7日頃の処暑は、朝夕に秋の気配を感じながらも、日中は残暑が厳しい時季であり、夏の疲れが出てくるタイミング。そして、夏の日焼けによる肌ダメージも、季節の変わり目に起こりやすい揺らぎ肌と相まって、じわじわと迫ってきます。ごわつき・くすみ・毛穴・テカリ・吹き出物…今回は、そんな夏の肌ダメージに効く食事について書きます。
 
厳しい夏の暑さを耐えた肌は、皮脂の分泌が過剰になりがちです。表面はベタベタするのに、内側は乾燥をしている「インナードライ肌」になりやすいのです。この時期は台風が多いこともあり、湿度の上昇から肌がべたつき、潤っていると勘違いして、スキンケアを怠ってしまいやすいのも原因のひとつです。さらに台風という低気圧や、朝晩の気温の変化による自律神経の乱れで肌トラブルは加速しやすい状況になります。自律神経の乱れで新陳代謝が低下しやすくなるので、十分な休息で自律神経を整え、新陳代謝を高める食事を意識することが大切になるのです。

新陳代謝=肌のターンオーバーを促す効果が期待できる栄養素は亜鉛です。現代人に不足しがちな栄養素としても有名ですよね。たんぱく質では、牡蠣・赤身のお肉・エビやカニなどの甲殻類・うなぎ・煮干し・卵黄に多く含まれます。チーズ・牛乳・納豆・高野豆腐・きなこにも含まれます。炭水化物では白いものより未精製のものに多く含まれます。

野菜類では、切干大根・ソラマメ・ドライトマト・しそ・アボカド、嗜好品ではアーモンド・ごまなどのナッツ類、ココアや抹茶にも含まれています。この不足しがちな亜鉛ですが、亜鉛の吸収を阻害する原因には、無理なダイエット・朝食抜き・ファストフード・コンビニ弁当などが挙げられます。加工食品によく使われるリン酸塩(インスタントラーメンなど)・ポリリン酸(ハム、プロセスチーズなど)・フィチン酸(漬物)・グルタミン酸ナトリウム(化学調味料でうまみ)などが原因とされていますので、亜鉛の吸収を阻害する加工食品ばかり食べるのは、あまりオススメできません。抗酸化作用があり、しみやしわの予防に役立つビタミンC・ビタミンE・カロテノイドなどを含む果物や緑黄色野菜をたっぷり食べてくださいね。

また体が冷えると血流や代謝が悪くなる可能性があります。冷たいものばかり飲んだり、エアコンの効きすぎた部屋でじっとしていたり、お風呂をシャワーで済ませてしまうのも、オススメではありません。体を温める食材やスパイスを積極的に取り入れる食を意識してくださいね。
肌トラブルは外側からのスキンケアでどうにか対処したいと思うところですが、肌トラブル中こそシンプルなスキンケアを心掛けてみましょう。体調不良のときはフォワグラのグリルでなく、お粥がいいですよね。肌もそれと同じなのです。

ヒトは食べたものでできています。食事でスキンケアをする意識を持つことをおすすめします。

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

参考:
「by BIRTH」WEB
「クラフト株式会社」HP

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