旧正月とはいったい何なのでしょうか。
お正月を過ぎてしばらくすると、テレビの番組やニュースで耳にする「旧正月」という言葉。中華街で開催される派手なお祭り風景がテレビに映し出されるなど、なんとなく知っている…という方も多いのではないでしょうか。
旧正月とはずばり旧暦のお正月です。日本もかつてはこの旧暦と呼ばれる太陰暦(月の満ち欠けを利用)を使用していましたが、今は太陽暦であるグレゴリオ暦を使用しています。中国や台湾、シンガポールなど今でも太陰暦のお正月=旧正月を重んじるアジア諸国もありますよね。この太陰暦は毎年、旧正月の日にちがずれるため、2018年は2月16日が旧正月の元旦となり、前日の大晦日から7日間になるそうです。
旧正月という呼び方をするのは実は日本だけ。中国では「春節」と呼ばれ、約30億人が里帰りするのだとか。企業ではこの時期になると仕事がストップしてしまうことが多いので取引時期に注意が必要になります。
では中国ではどのように旧正月を過ごすのでしょうか?例えば中国北部の旧正月は、大晦日に水餃子や焼き餃子をたくさん作り、子の刻(深夜0時)にみんなで新年の始まりを祝います。そして5日間ずっと餃子を食べるという習慣があるそうです。とはいえ、日本のお節料理と同じようにそればかりを食べるような人は現在では減っているそうです。昔は旧正月になるとすべての商店がお休みになり、食材や料理を買うことができなかったためでしょう。
日本も同様です。お節料理も新年の数日間はおせち料理を食べて過ごすものでしたが、現代は大晦日も元旦もコンビニやスーパーが営業しているのでおせち料理に固執する必要がなくなりつつあります。
では、香港はどうでしょうか。香港では「年糕(にんごう)」というお餅を食べます。「糕」と「高」が同じ発音なので「年々上昇する」という縁起の良い意味があるそうです。飲茶でおなじみの大根餅やココナッツ餅、タロイモ餅など種類も豊富。大きな塊で売られているので家で切り分けて焼いて食べます。
韓国の旧正月もまたひと味違うものです。旧正月を「ソラソル」と呼び、やはり1週間くらいお休みになります。このとき食べるのが「トックク」というお雑煮。うるち米でできた韓国のお餅“トック”と鶏肉(または牛肉)、卵、海苔などが入っているもので日本のお雑煮にかなり近い食事です。
シンガポールの旧正月では、「魚生(ユーシェン/ローヘイ)」というサーモンなどのお刺身と、大根・人参・レタスなどの野菜にナッツをトッピングした海鮮サラダを食べます。筆者はこのサラダが大好きなのですが、シンガポールの旧正月料理だとは知りませんでした。「魚(ィユー)」という言葉が豊かになるという意味の「余」と同じ発音なので食べるそうです。福をすくい上げるように混ぜていただくのがポイントだそうですよ。縁起の良い言葉を語呂合わせした食材に意味を持たせるのは日本も同じですよね。
同じアジア圏でもベトナムでは旧正月を「テト」と呼び、豚肉と緑豆を使った餅米のちまき「バインチュン」が代表的な正月料理として食べるそうです。
こうしてアジア諸国の旧正月の正月料理を見てみるとどれも美味しそう!日本では旧正月にあまり馴染みはないかもしれませんが、旧正月に各国の料理を調べて食べてみてはいかがでしょうか。きっと新しい食の楽しみを発見できると思います。
出典:知識の泉(WEB)
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