2019.11.13UP
世界のクリスマスケーキ
クリスマスケーキといえば、苺のショートケーキ?チョコレートケーキ?
筆者が幼かった頃はサンタクロースとトナカイの砂糖菓子がケーキの上にあるデコレーションケーキがクリスマスケーキの定番でした。決して美味しいとは言えない砂糖菓子のサンタクロースを弟と取り合いしたものです。学生の頃になると、デパートや銀座の路面店に海外の有名パティスリーが数多く出店し、趣向を凝らしたクリスマスケーキがなかなか良いお値段で並ぶように。予約しないと手に入らないという有名店ならではのプレミア感も付加価値となり、クリスマスの贅沢な時間を彩るようになりました。
ユニークでゴージャスでプレミアム。そんなクリスマスケーキが流行りましたが、昨今は昔から食べられている伝統的なケーキがヨーロッパ各国で目にするようになりました。それらはゴージャスな見た目ではなく、滋味あふれる素朴で温かい雰囲気があります。
代表的なものから紹介していくと、フランスの「ブッシュドノエル」。丸太の形をしたロールケーキで、本場のものはメレンゲを使ったキノコが飾られているシンプルなケーキです。次にドイツの「シュトーレン」。ドライフルーツがたくさん入ったどっしりと重たいケーキで、薄くスライスして1か月間毎日食べます。そしてイギリスの「クリスマスプディング」。ブランデーに漬けたドライフルーツやナッツ、スパイスが混ぜ込まれている生地を蒸しあげたケーキで、数か月熟成させた後、クリスマス当日にブランデーをかけてフランベして食べるという見た目は派手でないのにとても大掛かりなケーキです。それからイタリアの「パネトーネ」。独特な酵母を使った大きなブリオッシュのようなパンで、たくさんのドライフルーツがぎゅっと詰まっています。こちらもクリスマスまでの1か月に渡り食べていくものです。
これらは日本のパン屋さんでも近年店頭に並ぶようになりました。この他にもオーストリアの「クグロフ」。スペインの「トゥロン」。ハンガリーの「ベイグリ」。フィンランドの「ヨウルトルットゥ」。スウェーデンの「ペッパーカーカ(スパイスクッキー)」。など、各国には実にさまざまな長い歴史を持つ伝統的なクリスマスケーキがあります。
面白いことに、そのほとんどにドライフルーツが使われていることに気が付きませんか?クリスマスまでの1か月間、少しずつ食べるという習慣がありますので、生のフルーツというわけにはいきませんからね。ドライフルーツは洋酒に漬けて戻してあるので、アルコールの殺菌効果があります。また、糖蔵という保存方法もあるように、高濃度の砂糖で保存がきくのです。
日本はヨーロッパと気候そのものが違うので、同じように1か月かけて食べるというのは難しいかもしれません。表示されている賞味期限を参考に味わいましょう。さぁ、今年はどの国のクリスマススタイルにしますか??いろんな国のクリスマスケーキを楽しんでみたいですね。
参考「TAP TRIP」WEB