二十四節気に合わせて心と体を整える“小満”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第50回は「小満(しょうまん)」です。

5月21日~6月5日頃を指す小満とは「万物が満ち溢れ草木が繁る」という意味を持ちます。陽気な気候と美しく咲く花々、エネルギーに満ち溢れる季節ですが、その一方で梅雨時期に差し掛かり、湿気や気圧の変化による体調不良が出てくるタイミングでもあります。今回はこの時期に旬を迎える「大麦」について書きたいと思います。

最近その栄養価の高さに注目を浴びている大麦。昔は白飯の混ぜ物の代表格だったため、「貧乏くさい」「戦時中を思い出す」とされていました。

では、大麦とは一体何なのでしょうか。大麦は小麦とは別物です。大麦にはグルテンが含まれておらず、でんぷんを多く含みます。大麦の種類にも「うるち」と「もち」があり、麦とろごはんでお馴染みのあっさりとした食感が特徴の押し麦は「うるち麦」、プチプチもちもちとした食感が魅力の大麦は「もち麦」です。最近はこのもち麦がトレンドフードとして注目を浴びていますよね。もち麦を茹でてサラダやスープにトッピングされるのをよく見かけるようになりました。大麦を商品として見る時は、丸のままだったり、薄く平たく圧をかける加工がされていたり、半分にカットした米粒状に成型されていたりと形はさまざまです。

さらに大麦を中医学的観点で見ると、大麦は古くから糖尿病の薬とされてきました。糖尿病を治し、熱を下げ、気力を増し、消化を促進するという薬効があります。最も特筆すべき特徴は食物繊維が多いことです。白米の17倍の食物繊維を含み、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類がバランスよく含まれているのです。不溶性食物繊維は、ごぼうに代表されるようないわゆる繊維質な野菜に含まれ、腸内で便量を増やします。水溶性食物繊維は、わかめなど海藻のぬるぬる食材に含まれ、便に水分を含ませてくれます。どちらか片方だけでは腸内環境は良くならず、双方バランスよく含まれていることが大事なのです。大麦に含まれる水溶性食物繊維の「β―グルカン」は、食後血糖値の上昇抑制やコレステロール値の低下、排便促進など世界各国で機能性の表示が認められている栄養素。

大麦は満腹感を持続させることに加え、腸内での脂肪の吸収を抑えてくれます。さらには穀物の中ではカロリーも低め。ダイエット食としてはもちろん、便秘解消や美肌効果も期待できます。ただ体を冷やしてしまうので、必ず体を温める食材と合わせてくださいね。

大麦は太陽に向かってまっすぐ成長します。そんな麦のパワーをチャージして、体調管理と美肌・美腸作りを目指しましょう。

大麦を使ったレシピはこちら

・サーモンとレモンと大麦のスープ

サーモンとレモンと大麦のスープ

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考 「おいしい大麦研究上」はくばくHP

「からだに効く和の薬膳便利帳」武鈴子

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