2019.11.14UP
料理の幅を広げる、調味料のこと 〜塩~
世界各国で使われている調味料「塩」。
料理の味付けに必須のものですね。
調味料として使うことはもちろん、塩にはその他にもたくさんの役割があります。
塩の役割を理解した上で上手に使うと、料理の腕前を上達することにも繋がるんですよ。
今回は、調理における「塩」の役割についてご紹介します。
■うまみを引き出す
以前のコラムにも書きましたが、魚の下ごしらえでは塩を振ることで、魚の臭みを出します。水分とともに臭みを出すということは、魚本体のうまみが凝縮するということ。
つまり、塩にはうまみを引き出す効果があるのです。
野菜を塩もみすると、野菜の水分が出てきます。野菜は魚以上にわかりやすいですね。水分を出すことにより、かさが減ってうまみが凝縮される、この効果を塩が担っています。
■うまみを逃がさない
肉や魚に含まれるたんぱく質は、塩が加わることで、加熱時に早く固まる特徴があります。そのため、下ごしらえで肉や魚に塩を振っておくと、調理時に早く表面が固まり、うまみが逃げにくくなるのです。ただし、タイミングには気を付けましょう。肉は焼く直前に、魚は約30分前に塩を振るのがベストタイミングです。
■色を鮮やかにする
きゅうりやおくらなど、野菜を調理する前に板ずりするようにと指示するレシピを見たことありませんか?塩を使ってスクラブのように表面を削ることで、野菜の表面が滑らかになり、野菜の持つ色を鮮やかにみせる働きがあります。
■粘りを持たす
うどんやパンを作るとき、小麦粉に塩を加えて作ります。これは、塩を加えることで弾力性のあるグルテンが形成され、粘りを持たすことができるからです。
普段目にするレシピから調理まで、当たり前のように存在している塩ですが、このようにさまざまな効果があります。味付けだけではない塩。これを使う目的は何だろう?と考えながら料理をしてみると、まるで理科の実験のようですね。今までとはまた違って視点で料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
出典:料理と栄養の科学(新星出版社)