40代、50代の食習慣は老後の分かれ道

40歳を過ぎると身体の機能が落ち、太りやすくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。

メタボシックシンドローム(予備軍も含め)人数も女性は50歳を過ぎたあたりから急激に増え、30代からじわじわ症状が現れ40代で増えていきます。

体重が増えたりお腹が出たからといって、焦って食事の量を極端に減らしたり、食事の量を減らし続けることは老後の健康を左右するかもしれません。

1.筋肉は落とさず脂肪を減らす

メタボ検診に引っかかった、ちょっと太り始めたという場合、食事の量を減らしたり野菜中心のヘルシーメニューに切り替えた方も多いのではないでしょうか。安易な食事制限ダイエットは筋肉量を落としかねないため、あまりおすすめできるとはいえません。40代以降はいざ筋肉量を増やそうとしてもなかなか難しいという現実があるため、いかに筋肉を落とさず脂肪を落とすかがポイントになります。

2.食事制限の落とし穴

食事を減らして体重が減ったという経験をお持ちの方も多いかと思います。なかでも糖質を減らすと、比較的早く体重が落ちるとされていますが、糖質が不足すると筋肉中に蓄えられている糖がエネルギー源として使われます。筋肉中に蓄えられている糖は水分子と一緒に蓄えられているので、糖が使われることで一緒に水分子も体外へ排出されます。そのため糖質を控えると水分が抜けるため体重が減りやすいといわれているのです。つまり体重が減っても残念ながら脂肪が減っているわけではないのです。また食事量が減るとたんぱく質の摂取量も減り、筋肉や細胞などがスムーズにつくることができず老化に繋がりやすくなるという場合もあります。筋肉が減り基礎代謝が下がると太りやすくなります。筋肉を落とさず脂肪を落とすように、緩やかに脂肪を燃やしていきましょう。

3.元気に長生きするためには

平均寿命と健康寿命の差を見ると男女とも10年前後の寝たきり期間があります。寝たきり期間が長くなる理由のひとつに高齢者の低栄養の問題があります。低栄養によりサルコペニア(筋力が低下)やフレイル(虚弱)などの問題につながるのです。

60代、70代を越えてくると食事の量も自然と落ちていきます。ですから40代、50代で食事の量を必要以上に落とすと、その時点で栄養不足なのに、さらに食べられる量が減り栄養不足を引き起こし低栄養のリスクが上がるのです。40代や50代で「太ったから」「痩せなくては」と食事の量を落としすぎて食べられなくなり、今度は低栄養の問題にぶつかり「食べなくては」と思っても都合よく食事の量を増やすことはできません。食べた物を消化する胃、吸収する腸の機能は食事を減らすと衰えやすくなることから、これも食べられない理由のひとつになります。いつまでも元気でいるためには必要な量を食べられる胃腸を持っておくことが必要ですね。

参考文献

・厚生労働省HP

・食卓の生化学(医歯薬出版)

・健康長寿ネットHP

タグ

    オススメコラム・特集

    このコラムに関連するコラム