二日酔い

いよいよ師走も近くなり、忘年会やクリスマス会などお酒を飲む機会が増えてきました。今年はコロナ禍という状況もあり、大勢で集まる機会も減るとは思いますが、おうち時間が増え“オンライン飲み会”や“家飲み(宅飲み)”のような飲み会がまた盛り上がるかもしれません。そんな今回のテーマは薬膳目線からの「二日酔い」です。

二日酔いとは、お酒を飲み過ぎてアルコールを分解する“肝”と、余分な水分を排出する“腎”がオーバーヒートしてしまった状態。ということは、薬膳目線からすると、肝と腎を補ってあげればよいということになります。そもそも肝にとって辛味のアルコールは、相克(臓腑の機能を弱まらせる)の関係にあり、アルコールの摂りすぎは肝の分解能力を抑制させてしまうのです。

肝と腎が正常に機能できるくらいのアルコール量であれば、二日酔いにはなりにくいのです。もちろん人によってこの量は違いますし、その日の個人のコンディションにもよります。それでも、添加物の多いお酒や食事ばかりの時は、肝腎の処理能力に悪影響を及ぼす可能性があるため、二日酔いになりやすいといわれています。

昔から飲み過ぎた次の日は「しじみ汁」と言いますが、薬膳目線で見ると、しじみは肝機能を高め、分解・解毒を助けるとともに、腎に働きかせて水分代謝を促す作用があります。現代栄養学でも、タウリン(肝臓の解毒能力を強化)やビタミンB12が多く入っていることで知られています。しじみは茹でると栄養が汁に溶けだしてしまうので、汁物にして汁も飲み干すのがおすすめ。身体が温まって巡りが良くなります。

もう一つは、肝を補う酸味の食材です。梅やレモンなど酸味の利いた食材を摂りながらアルコールを飲むことをおすすめします。梅干し割りやレモンサワーは美味しいだけでなく、肝臓にも嬉しいのです。おつまみに酢の物やマリネを選ぶのもオススメですよ。

その他にも、セロリはお酒を飲む時には必ず一緒に摂ってほしい食材です。アルコールを分解するために働きすぎて高ぶった肝の熱を鎮めてくれるので、肝機能の働きを助けてくれます。さらに余分な水分の排出を促しますので、まさに肝と腎を補う役割。爽やかな香りは食欲を増進させたり、二日酔いのムカムカも抑えてくれます。セロリはスティック野菜には欠かせない野菜で、切るだけで食べられるので、ちょい飲みのお共にも最適ですね。

肝と腎のケアを忘れずにアルコールと正しく楽しく付き合いましょう!

参考 「からだに効く和の薬膳便利帳」武鈴子

   

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

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