二十四節気に合わせて心と体を整える“雨水”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第91回は「雨水(うすい)」です。

2月19日~3月4日頃、厳しい寒さから少しずつ春に向かっていくのを感じ、降る雪が雨となり、積もった雪が溶けて水になる時期です。

 この時期は、暖かい日と寒い日が交互にやってきて、寒暖差疲労に悩む時期ですよね。三寒四温(さんかんしおん)という言葉は、四季がはっきりしている日本にすごく合っている言葉のように思えますが、実は日本の気候ではなく、中国北部や朝鮮半島の気候を表現した言葉なのです。日本ではだんだん暖かくなる春のはじまりに使われますが、本来は冬の気候を表すものでした。

 この三寒四温と呼ばれる時期は、暖かさを感じる分、余計に寒さを感じてしまうので、体調を崩しやすいとも言われています。日中の暖かさに合わせて上着を春物にしてしまい、帰宅時に寒い思いをしてしまうこと、誰しもが経験あるのではないでしょうか。

身体を冷やさないことは、中医学において基本となります。“3首”と呼ばれる「首・手首・足首」を温めると良い、または冷やしてはいけないと聞きますよね。この3首は脂肪や筋肉が少なく、表面近くの太い血管から熱が逃げやすい部位だからです。厚手の上着を着ても冷えが解消されない場合は、3首が露出しているからかもしれません。

また、カイロを貼る場所によって身体の温まり方は違います。身体の芯から温めたいなら「命門(メイモン)のツボ」に貼りましょう。命門のツボは、おへその真裏、つまり腰の真ん中です。身体を温める種火がある場所とされているので、ここを温めることで全身が温まるようになるのです。

 身体を温める食べ物をいただくのも効果的です。冷えで悩んでいる方で、ビールを飲んだり生野菜サラダを毎日食べている人は要注意。トマトやきゅうりは水分が多く、身体を冷やす作用があるからです。寒い時期に夏の野菜を食べるのは控えた方がよいのかもしれません。

寒いとホットコーヒーを飲んで温まろうとしていませんか??ホットコーヒーは、飲んだその瞬間は温かい液体が胃に入り、胃の周りの血液が温まり、温まった血液が身体を循環するので身体が温まったような感じがします。そしてカフェインの興奮作用で気持ちがシャキッとし、温まったように錯覚します。ですが、ホットコーヒーは身体を冷やします。さらに砂糖たっぷりの市販のコーヒー飲料は、もっと身体を冷やしてしまいます。ホットの缶入りコーヒーやペットボトルの温かいコーヒーは、手で握ったり冷えた身体に当てて暖をとるアイテムとして使うのがおすすめです。どうしてもホットコーヒーを選びたいときは、シナモンを足してみましょう。強い熱の効能があるからです。

 

まだまだ春も入り口の入り口です。冷えに気を付けて体調管理していきましょうね。



参考  「クラシエ」WEB

「和の薬膳便利帳」武鈴子

オフィシャルメンバー:滝野香織

    



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