二十四節気に合わせて心と体を整える“立春”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第90回は「立春(りっしゅん)」です。

日本では1月1日が1年の始まりですが、2月4日~2月18日頃、二十四節気ではこの立春から季節が始まります。立春に食べると良い縁起物、「立春大吉豆腐」と呼ばれる豆腐をご紹介します。

「白い豆腐は邪気を祓うほどの霊力が宿る」といわれる豆腐は、節分(2月3日)に食べるとそれまでの罪や穢れを祓い、立春(2月4日)に食べると清めた体に幸せを呼ぶことができると言われているのだとか。この節分と立春に食べる豆腐を「立春大吉豆腐」と呼び、この風習は2003年ごろ出雲大社相模分祠・分祠長がある文献に「節分に豆腐は身を清める」と記されていたのを見つけたのが始まりだそうです。それを豆腐製造業者有志の会が広めている比較的新しい風習なのです。

邪気を払うとされるのは「白い豆腐」ですので、醤油をかけたり、麻婆豆腐ではなく、白いままいただきましょう。いつもより背伸びをして美味しい豆腐を買い、塩でいただくと大豆の甘さがわかり、しみじみと美味しさを感じるものですよ。

 

さて、豆腐の栄養価はどうでしょうか。豆腐は大豆の加工品ですので栄養価は高く、消化吸収率は92~98%と優秀な食品です。離乳食から高齢者食、病中病後の食材として大変適しています。

たんぱく質は豆腐100g中に、絹豆腐で5.3g、木綿豆腐で7.0g。血液中のコレステロールを低下させ、血圧上昇を抑制する効果があります。他に、レシチン(血管に付着したコレステロールを溶かし血流の流れを良くする。記憶力や集中力を高め、ボケ予防防止に期待できる。)、βコングリシニン(内臓脂肪を減少させる)、サポニン(脂肪の蓄積を防ぐ、血管に付着した脂肪を洗い流す、老化のもとになる脂肪酸の酸化を防ぐ、活性酸素の働きを抑制する、腸を刺激し便通をうながす、また血栓を予防する、生活習慣病や老化防止などに関係する効果が期待できます。)、イソフラボン(女性ホルモンに似た働きをする。骨粗鬆症予防。循環器系疾患リスクの軽減。)、オリゴ糖(腸内環境を良くする)など、書ききれないくらいたくさんの栄養が含まれます。

栄養価がこれだけ高いのに、植物由来で低カロリーである点から、海外でも「TOFU」として人気があります。そんな豆腐の魅力は、栄養価だけではなく和洋中、生食・煮・焼・蒸・揚と多彩なバリエーションに対応する器の大きさにあると思います。主菜の主役にもなれますし、副菜や嵩増しにもなります。

今年の立春は、豆腐を食べながら豆腐について話し合う食育の機会になったらと思います。



参考 「SOYフードジャーナル」WEB

   「全豆連」WEB



オフィシャルメンバー:滝野香織

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