2019.11.11UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“大寒”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第18回は「大寒(だいかん)」です。
大寒とは1月20日~2月3日頃、二十四節気の最後を飾る節季。その名の通り1年で最も寒い時季です。寒くて行動力が衰えがちになりますが、そろそろ次の年(旧暦では旧正月から1年が始まります)の準備を始めるとき。太陽を浴びる時間を増やし、太陽エネルギーを積極的に身体に取り入れてみましょう。身体を温めてくれる太陽の熱は血液循環を促し、顔色も良くなります。顔のトーンがアップすると対人運も上がり人脈も広がります。また、太陽は交感神経を働かせる効果が期待できるので、反対に夜は副交感神経を優位に導きやすくして安眠にも繋がります。睡眠は体力の回復・養生の基本ですので、ぜひ意識して太陽の光を浴びてみてください。
大寒には「寒仕込み」という、寒気を利用した食べ物(味噌、酒、凍り豆腐、寒天)を仕込むタイミングとして最も良いとされています。「寒の水」と呼ばれ、「大寒の日の水は腐らない」という謂れもあり、寒の内に汲んだ水は大切にします。その中でも寒の入りから9日目に汲んだ「寒九の水」は薬にもなると言われるほど良質とされるそうです。火除けのおまじないとして大寒初日の水を台所に保管しておくという言い伝えもあるんですよ。
この他にも、大寒の期間に生まれた卵を「大寒たまご」と言い、食べると体が丈夫になり金運を呼び込むとされています。現代は温湿度管理のされた鶏舎で鶏は卵を産むので1年中卵を産みますが、本来は寒い時期には卵を産みません。寒い時期の鶏はよくエサを食べ水分をあまりとらず、栄養を貯めこんでいるため実際の栄養価でもDHAが他の時期に比べて4~5倍量に増えているそうです。DHAといえば頭の回転が良くなる栄養素の代表。縁起物でもありますし、受験生へのプレゼントにしても喜ばれそうですね!
またこの頃に旬を迎える食材といえば牡蠣。ビタミンB1,B2,B12、亜鉛、鉄、アミノ酸、タウリン、グリコーゲンなど栄養豊富です。ノロウイルスや食中毒のニュースで矢面に立たされがちですが、正しい加熱処理をする、生食は鮮度と衛生面に注意する、細心の注意を払いながら調理をすればこれほど栄養価の高いものはありません。
この時期は質の良い食事をとって栄養を蓄えたい時期。卵や牡蠣など栄養価の高い物を食べて来たる飛躍の春に向けて準備しましょう。
出典:
「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代
「くまのお役立ちサイト」(WEB)