2019.11.13UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“清明”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第47回は「清明(せいめい)」です。
4月5日~4月19日頃、すべてのものが清らかで明るい光が降り注ぐこの時期。五行において「春」の臓器は「肝」です。五官と呼ばれる病気が現れやすい部位であれば、春は目になります。眼精疲労・ドライアイ・充血などの症状があるときは肝が弱っている可能性があるため、肝の養生をしてくださいというサインになるわけです。現在は、身体に悪影響を及ぼす添加物や化学物質などを引き受け、解毒酵素を生成して毒物から体を守るフィルターの役目を肝が担っています。大切な役割を持つ肝ですが、ストレスの影響を受けやすい器官でもあります。仕事や人間関係、春の新しい環境によるストレス、スマートフォンやパソコンによる目の酷使、肝は疲労困憊なのです。
肝の機能を補う、この時期に旬を迎える食材にはどのようなものがあるでしょうか。まず注目したいのが「あさり」。春は陽の気の上昇とともに上半身に熱がこもりやすいとされ、のぼせやめまい、不眠、多汗、鼻血、口の渇きなどを起こしやすいとされています。この症状に対して、あさりは身体の熱を冷ましほてりを鎮めてくれる効果が期待できます。さらに、血液や水分を補い、タウリンが肝の機能を高め、のどの乾燥を防ぎます。精神安定の効果もあるとされる春のあさりは身が太り、うま味成分が増し、薬効も高まります。つまり、この時期にあさりを食すと得をするということですね。ただし、あさりは寒性の食材であるため身体を冷やします。必ず温める食材と合わせていただきましょう。
今回レシピに紹介した「あさりとニラのクッパ」では、あさりとニラを合わせました。あさりと同じく春が旬となるニラは「菜類中、このもの(ニラ)が最も温なるもので人体を益する。」と称されるほど、体を温める作用が強いとして知られており、寒性のあさりと合わせて食べると陰陽のバランスが整います。また、ニラは血行を促進させ、体内の余分な水分を発散したり胃腸の働きを助けてくれるほか、食物繊維による体内デトックスも効果が期待できます。
あさりとニラのクッパ
<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>
春はストレスとの闘いです。環境、心的疲労と上手に付き合わなくてはなりません。少しでも食事でラクになれたらと思います。
参考
「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代
「からだに効く薬膳の便利帳」武鈴子