二十四節気に合わせて心と体を整える“夏至”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第52回は「夏至(げし)」です。

6月21日~7月5日の頃、2019年の夏至は6月22日になります。そもそも夏至は四季をバイオリズムで描いたときの頂点に当たる陽気盛んな時期です。今回はそんな夏至に旬を迎えるアジについて書きたいと思います。

アジは北海道を除く日本各地でほぼ1年中捕れる魚であり、6月頃から夏場までが脂がのり美味しさが増します。身近に食べられているアジですが、実は「外洋性のアジ」「瀬付きアジ」と2種類に分類されるのをご存知ですか?「外洋性のアジ」は、外洋を回遊しているアジで、暖かい海を回遊しています。九州地方では3月、駿河湾沖では4月、房総沖は5月、三陸沖は9月と地方で旬が変わります。外洋性のアジは全体的に色が黒っぽく、回遊魚なので見た目もスリム。しかし産卵を控えた旬の時期になると、脂がのってくるのが特徴です。

「瀬付きアジ」は、回遊する外洋性のアジとは違い、日本沿岸の湾内や瀬に定着しています。その場に根付いているので、産卵を控えた脂が良くのった時期がそのまま旬の時期となり、前述のアジの旬とは、瀬付きアジの旬を指します。瀬付きアジは、湾内や瀬周辺の豊富なプランクトンを食べる上に、動く量も少ないため脂が多く、全体的にまるまる肥えています。身が肉厚で、味もしまっているので大変美味しいのです。長崎県のゴンアジ、トキアジ、山口県の関アジなど「ブランドアジ」も存在し、高値で売られているアジも……。脂で黄色っぽく見えるので、「金アジ」「黄アジ」とも呼ばれます。

薬膳の世界において、アジは五臓全体の働きを補って気力を増し、疲労回復に役立つとされます。また胃腸を温める、食欲を増進させる、血行を促進するという幅広い効能を持ちます。

アジは大衆魚でありながら、家庭で食べる機会が減ってきているようにも感じます。その薬効の高さから「食べる美容液」「天然のサプリメント」とも言われているアジ。生臭みの原因である血合いも薄く、うまみの強い美味しい魚です。生はもちろん、焼きから揚げまで万能に料理ができるので、レシピもたくさんあります。1番簡単な調理は塩焼きですが、最近では魚焼きグリルを使わない方が多く、遠退いているようです。そんな方にオススメしたいのが、スーパーの存在。最近のスーパーマーケットでは3枚おろしにされた状態で売られており、内臓の処理も必要ありません。すぐに調理ができて、フライパンを使った調理にもしっかり対応できます。梅雨時期で湿気が多くさっぱりといただきたい場合は、梅やしそなどの薬味と合わせたり、エスカベージュや南蛮漬けもおすすめですよ。

みなさん、アジを食べないのはもったいないことです!アジを見直してみてくださいね。

アジのエスカベージュ

アジのエスカベージュ

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考 「食生活研究所―食ラボ」WEB

「からだに効く和の薬膳便利帳」武 鈴子

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