二十四節気に合わせて心と体を整える“啓蟄”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら自分の内側に耳を傾け、自然の流れに食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第92回は「啓蟄(けいちつ)」です。

3月5日~3月20日頃の「啓蟄」は、土の中で冬ごもりしていた虫たちが春の暖かさを感じて地中からはい出し始めるという時季です。

今回のテーマは虫繋がりで「昆虫食」です。最近はネットやニュースで耳にする昆虫食。奇妙過ぎて気持ち悪い、虫は苦手!という人は多いようですが、現代の日本に昆虫食という食材はほとんど馴染みがありません。ですがほんの100年余前の大正時代には、蜂(ハチ)やカミキリムシ、蚕(カイコ)といった50種類以上の昆虫が日常的に食べられていたという記録があるそうです。私もハチの子の瓶詰やイナゴの佃煮を見たことはあります。

昆虫食がフューチャーされるようになったきっかけは国連食糧農業機関(FAO)が2013年に打ち出したレポートに「今後、人口爆発による食糧不足が予測され、昆虫食が食糧・飼料になるかもしれない」というものからでした。しかし昆虫食を日常に取り入れ、肉や野菜のように食べていこうと直接的な意味ではありません。昆虫食についてFAO駐日連絡事務所からは次のようなコメントが発表されていました。

“世界では健康的な食事を経済的に入手できない人々が約30億人存在します。持続可能な方法で、栄養のある食べ物に皆がアクセスできるようにするために、これまで通りの食料の生産方法や食事の仕方からの転換が求められています。昆虫は、安価に入手できる食材の一つとして、すでにアジアやアフリカ、ラテンアメリカを中心とした約20億の人々の食事の一部となっており、今後私たちが環境面でも健康面でも、そして経済面でも持続可能な食のあり方を追究する上で、一つの有望な栄養源であると考えられます”(引用:マイナビ農業

実際世界では甲虫やイモムシを中心に1900種類以上の昆虫が食用として消費されているそうですよ。

 昆虫食の利点は、以下のようなものがあります。

(1)地球環境にやさしい

昆虫の生産は牛豚など家畜比べて、生産時の温室効果ガス生産量が少なくて済みます。少ない飼料、そして短期間で食べられます。牛豚など家畜に与えていた膨大な飼料を人間に回すことも考えられます。

(2)たんぱく質などの栄養面に優れている

昆虫のたんぱく質は他の食肉とほぼ同等。また「栄養不良の子どものための栄養補助食品」として期待することができるほどに食物繊維、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、亜鉛などの微量栄養素も多く含まれるそうです。

(3)生産・加工がしやすい

昆虫は環境の変化にも強く、バケツなどでも生育が可能。解体や加工においても食肉より容易です。

日本国内でも自動販売機で昆虫食を買えたり、ネットでもたくさんの種類の昆虫食が手に入ります。実際に食べたことはないのですが、どんなに美味しいと勧められても正直食べたいとは思いません(笑)。将来昆虫食が普通になるかというと、私はさすがに普通にはならないのではないかと考えます。しかし粉末にしたプロテインやサプリメント錠も出ているようです。それならいけるかな…と思えなくもないのです。




参考 「マイナビ農業」WEB


オフィシャルメンバー:滝野香織

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