二十四節気に合わせて心と体を整える“立夏”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第96回は「立夏(りっか)」です。

5月5日~5月20日頃。立夏は春の終わり、夏につながる時期です。今回のは「ちまき」をテーマにお届けします。

皆さまがお住いの地域では「ちまき」を端午の節句に食べる習慣はありますか?食べる習慣がある方は、関西方面または台湾や中国の出身であったり、親戚の方がいらっしゃるかもしれません。筆者は関東出身なので端午の節句は柏餅を食べる習慣があり、ちまきを食べるのは大人になってから知った習慣でした。

ちまきの歴史は古く、日本には平安時代にはもう存在していたとも言われています。中国から伝えられ、中国・楚国に実在していた有能かつ高い人気を誇る政治家で詩人の屈原(くつげん)が5月5日に亡くなり、命日のお供え物として作られるようになったのが由縁とされています。彼を慕っていた人々がお供え物を悪い龍に盗まれないように、葉に巻いて用いたのが「ちまき」の原型とも言われています。

その一方で、ちまきという名前の由来は、もち米を包む葉を「ちがや」というイネ科の葉で包んでいたことにあります。先述の屈原のお供え物では龍の苦手な「れんじゅ」の葉で包んでいたのだとか。今では抗菌作用のある竹の皮や笹の葉で包むのが一般的ですね。

ちまきについて、どんなものをイメージするかアンケートを取った会社があるので引用させていただきます。北海道~関東甲信越では、三角形で中身はおこわ。いわゆる中華ちまきですね。東海~九州では中華ちまきと円柱形の中身は甘いお団子と二分化するそうです。また、三角形の中身が甘いお団子というハイブリッドなタイプもあるようです。

中華ちまきは、もち米と一緒に味付け肉やタケノコ、椎茸、銀杏や棗などをオイスターソースで調味して竹の皮で三角に包んで蒸しあげたもの。ハイブリットタイプの甘いちまきは、ほんのり甘味のあるもちに、きな粉や砂糖をつけながら食べるタイプで、主に和菓子屋さんで売られています。

西日本は細長いお団子。関東とは全く形が違います。笹の葉に白くモチモチした甘い団子が包まれています。あんこ入りのものもあるそうです。

唯一、鹿児島では「灰汁巻き」です。灰汁に漬け込んだもち米を竹の皮に包み、さらに灰汁で炊き上げます。もち米に味はつけないので、砂糖醤油や黒砂糖、きなこをつけて食べます。

このように、ちまきでお郷がわかってしまうくらい違いがあるのです。端午の節句は初夏の始まり。縁起の良いもち米を使い、無病息災を祈る食べ物なのです。さて今年のちまきはどのスタイルのちまきにしましょうか!

笹無し中華ちまき

参考 「WEATHERNEWS」WEB

オフィシャルメンバー:滝野香織

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