食欲の秋!食べ盛りの子どもの味覚を育てる方法

秋は旬の食材が豊富に揃い、自然と食卓がにぎわう季節。食べ盛りの子どもがいるご家庭なら、味覚を育てる絶好のタイミングです。とはいえ、偏食やジャンクフードに偏りがちな現代の子どもたちに、素材本来のおいしさを伝えるには、ちょっとした工夫と親の意識が大切。食べることが好きになるヒントや、五感を刺激する食育アイデアをお届けします。

味覚を育てるなら秋がチャンス

そもそも味覚は、「生まれつきのもの」ではなく「育つもの」。とくに成長期の子どもたちにとっては、日々の食体験が味覚の土台になります。秋は、さつまいも、きのこ、さんま、柿、栗など、五感を刺激する季節の食材が勢揃いするタイミング。旬の食材には香りや食感、色彩、そして「ほのかな甘み」や「ほんのりとした苦み」など、複雑な味わいが詰まっています。このちょっとした複雑さこそが、味覚を広げるカギ。甘い・しょっぱいだけでない、繊細な味わいに気づく力は、年齢とともにゆっくり育まれていくものです。その第一歩が、家庭の食卓。「おいしいね」と感じる瞬間を家族で分かち合う時間が、子どもの味覚のアンテナを育てることにつながります。

五感で味わう体験型の食事を

忙しい毎日の中でも、子どもに「食べる体験」を届けることはできます。たとえば、料理中に素材の香りを一緒にかいでみたり、「これ、どんなにおいがすると思う?」と問いかけてみたり。音や手触りを共有することで、子どもは「味」を五感でとらえるようになります。また、暑さが落ち着く秋は家族で出かけやすい季節。ピクニックで手作りおにぎりを持参する、芋掘り体験に参加するなど、食材にふれる体験も大切です。そして「自分で採った」「自分で握った」といったストーリーが、食べ物への興味をぐっと高めることにもつながります。さらに、食卓では「きのこの香りって土っぽいね」「柿はちょっと渋いけど甘い」といった親の一言が、味覚を言葉で理解するヒントに。感想を言い合う習慣が、味の記憶を豊かにします。

苦手をなくすのではなく、広げる工夫

子どもの偏食に悩むママパパも多いかと思いますが、「苦手」を否定せず、その感覚を大切に受け止めてあげることも大切。無理に食べさせるよりも、「どうして苦手なのかな?」と子どもに問いかけてみることで、少しずつ味の壁を下げていくことが期待できます。また、同じ食材でも調理法を変えると、子どもの反応が変わることも。たとえば、苦手なピーマンをみじん切りにしてハンバーグにする。にんじんもスープやキャロットケーキなどスイーツにアレンジする。味だけでなく、見た目や香りも含めて工夫することで、食材との「出会い直し」が起きることもあるのです。「昨日は食べられなかったけど、今日はちょっとおいしかった」そんな小さな変化を一緒に喜ぶことが、味覚を広げる力になります。

家族の会話が味覚を育てる

また、味覚は記憶と深くつながっています。「秋になると、このお味噌汁の香りを思い出す」「焼き芋の香ばしいにおいが好き」そんな感覚が心の中に根づくと、食への関心や感受性が自然と育まれていきます。家族の「おいしいね」「うれしいね」という気持ちが、子どもの記憶に「食の楽しさ」として刻まれていくというもの。一緒に食べて、感じて、話す…そんな食の時間を大事にしてください。それが、子どもにとっての味覚の教科書になるはずです。

秋の実りを感じながら子どもと一緒に味わう食卓は、栄養だけでなく、親子の時間と未来への贈り物です。ぜひ参考にしてくださいね。

参考:
【Come on House】

【農林水産省】

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