少しずつ暖かくなり、食材が傷みやすい時期がやってきました。
安く購入できるとまとめ買いをしたのに、調理し損ねて食材の状態を悪くして捨ててしまった、などという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。暑さが増すこれからの季節、上手に活用してほしいのが「冷凍保存」。
今回は、冷凍保存をするメリットとコツについてご紹介いたします。
■冷凍のメリット
–栄養価が落ちない-
冷凍すると栄養面が気になるところですが、実は冷凍という保存方法は栄養価を保つのに適した方法です。シジミやきのこなどは、冷凍することによってオルニチンやグアニル酸などの成分が増加します。野菜はさっと下ゆでしてから冷凍すると、酵素の活性が抑えられ、ビタミン量を保つことができます。
–下ごしらえの手間が減る-
食材が安いときにまとめて買いをしたら、下ごしらえをしてから冷凍保存をしておきましょう。下ごしらえ時間を短縮できますので忙しい人にオススメです。また、冷凍保存によって食感が変わってしまう食材がありますが、その食感の変化を利用して下ごしらえを短縮化する効果もあります。例えば玉ねぎ。冷凍すると組織が破壊されるため、生のままに比べて圧倒的に早くあめ色玉ねぎを作ることができます。
■冷凍保存のコツ
冷凍保存をする上で大事なポイントが3つあります。
- 乾燥を防ぐ
- 冷凍やけを防ぐ
- 温度を一定に保つ
この3点を守りつつ、おいしく便利に冷凍保存をするコツをまとめてみました。
–下味冷凍のすすめ-
肉や野菜を冷凍する際は、素材をそのまま冷凍するより醤油やみりんなど調味料で下味をつけてからの冷凍がおすすめです。これは食材に霜がつくのを防ぐ効果がある上、冷凍している間に味がしみこむので解凍後、すぐにおいしく食べることができます。
–下茹でしておく-
多くの野菜は生のまま冷凍すると味が落ちてしまいます。そこでおすすめなのは下茹でしてからの冷凍。野菜の酵素の働きを下茹ですることによって止めることができます。それにより野菜の栄養価を残したまま、おいしく冷凍保存することができます。保存時は、密閉袋に入れてしっかりと空気を抜くことで冷凍焼けを防げます。調理の際は凍ったまま加熱するだけでOK。
–厚みを整える-
ご飯や肉など、ラップや密閉袋に入れて保存する場合、厚みを整えて冷凍するのがポイント。食材を均一に包むことで空気に触れる部分が少なくなり、部位による温度差も少なくなります。
いかがでしょうか。食材を無駄なくおいしく食べるためにも、冷凍保存をうまく活用してくださいね。
参照:おいしい!冷凍保存レシピ(高橋書店)