「おしゃれFOODIEがいく〈世界に広がる日本酒“SAKE”〉」

FOODIE(フーディー)とは、美味しい時間を楽しむことに積極的な人たち
を指します。レストランがお客を選ぶ時代はもう終わり。いつ、どこで、何を
、誰と、どのように食べたいかは、自分で決める!そんなFOODIEがこれから
の食文化を作り出す未来も、そう遠くはありません。


そんなFOODIEが注目している新しい食文化について、今回は「世界に広がる
日本酒“SAKE”」を書きたいと思います。


日本酒がだんだんと世界に広まっていることは以前にもお伝えしました。し
かし今、日本酒は外国でも作られるようになってきたのです。日本酒は日本古
来の酒。酵母の働き、蔵とそこに住む菌の存在、日本の気候や歴史ありきだと
思っていた日本酒が海外でも作れるの?と思ってしまいました。


 “TERROIR(テロワール)”という言葉をご存知でしょうか。その土地その土
地には固有の個性が存在するという意味合いで使われる言葉で、主にワインに
用いられます。最近は、その土地の気候を含めた個性に、その地方の風土や文
化という概念が加わり、そこに愛着や価値が生まれ、オリジナルの魅力に溢れ
たものとして注目が集まっています。日本酒もまさに「テロワール」が大切に
されている食文化。その土地の水、米、蔵や杜氏が守ってきた菌類、気候が作
り出します。そして大切なのは、その土地で作られる食材や料理との相性が抜
群であること。さまざまな地域の料理とのペアリングを楽しむこともアルコー
ルの醍醐味であり、やはり同じ大地で生まれたもの同士はどうしたって最高に
相性が良いのです。


 このテロワールが根付いているフランスでは、日本で作られた日本酒より、
水も米も全てフランス産で作る日本酒の方がフランス人の味覚に好まれるそう
です。日本人的には「少し違うかな」という仕上がりでもフランス人にはフィットしたというわけです。
 

そんな日本酒の魅力のひとつに、ワインとは違う“うまみ”があります。日本
酒のアミノ酸含有量は、同じ醸造酒のビールやワインと比べてみても、ビール
が1、ワインが3に対して日本酒は8と格段に多いのです。ワインは生臭みが
立ってしまうため生野菜や卵には合わないと一般的にいわれています。その点
、日本酒のうまみはグルタミン酸による複雑で繊細なうまみがあり、卵のクリ
ーミーなうまみや生野菜のフルーティーさを引き出すと言われています。


どんな国のどんな料理に合わせても「うまみ」を引き出し、引き立てるポテン
シャルを持つのが日本酒なのです。世界各地で「テロワール日本酒」が作られ
るようになれば、その国や地域の料理と共に、日本酒も逆輸入されて、日本人
の知らない日本酒を味わうことができる。食いしん坊にはたまらない日本酒の
世界進出なのです。

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

参考 

「ダイナースクラブ」WEB
「月桂冠」WEB

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