FOODLE口内世界旅行~スペイン~

世界が移動を制限し、気軽に旅行を楽しめなくなってもう随分経ちました。1年以上たった今もなおウイルスは落ち着くことなく猛威を振るい、まだまだ外食も旅行も思いっきり楽しめるわけではありません。そこで提案したいのが「口内世界旅行」!おうちで世界の料理を作って、旅行気分を味わいましょう。

 第8回は “スペイン”。突然ですが、筆者はスペイン料理が大好きです。昔、実家のある最寄り駅に当時では大変珍しかったスペイン料理屋さんがありました。もう30年前の話です。家族でたまにご馳走を食べに行く小さなレストランだったのですが、私たち家族は「フランス料理」と呼んでいました。当時は西洋料理=フランス料理だったのです…。恥ずかしながら…。

私が食に興味を持ち、外で食事をする機会が増えたころ、「パエリア」「ソパデアホ」「ハモンセラーノ」を見て食べるうちに、「ああ、あのお店はフランス料理ではなくスペイン料理だったのね」と気が付いたのです(笑)。それが20年前くらいでしょうか。

その頃には、ほとんどの人がパエリアはどこの国のどんなお料理なのかわかっていたように思います。そして現在。スペイン料理屋さんも増え、スマートフォンの普及により色々なレシピを簡単に検索できる世の中になり、家庭でパエリアを作る人も出てきました。生ハムもしっかり市民権を獲得し、種類は違えどコンビニエンスストアで手に入ります。スペイン産のイベリコ豚やハモンセラーノも、今や簡単にネットで購入できる時代。世界の美味しいものが、どんどん日本に上陸してきていますね。さすが好奇心旺盛な食いしん坊民族!  

 そんなスペイン料理の代表格といえば、言わずもがなパエリア。お米料理ということもあり、日本人にも馴染みやすく人気の料理です。フライパンや炊飯器、オーブンで手軽に作れるレシピも多く存在します。パエリアはムール貝やエビがないといけないと思われがちですが、あさりだけ、シーフードミックスだけ、魚だけでも美味しく作れますし、海のパエリアだけではありません。海がない地方には、ウサギ肉や鶏肉にきのこを合わせた山のパエリアも存在するのです。

日本ではサフランが使われた美しい黄色のパエリアが一般的ですが、サフランは高価ですし風味も強めということもあり、本場スペインでは必須ではないそう。スパイスやハーブにも決まりはなく、家庭ごとお店ごとに味付けを楽しむ自由度の高い料理なのです。ただ、米の硬さだけは特徴的で「アルデンテ」がベスト。芯を残して炊きます。そもそも日本の米とは種類が異なるのですが、お米にうるさい日本人が本場のアルデンテの米を食べると、「硬い!炊けてない!」と少し不快に感じてしまうかもしれません。そのため、私は日本のお米でパエリアを炊く時は芯が残らないように炊きます。日本流です。パエリアは季節の食材を取り入れやすく、また見栄えの良いお料理です。マルチグリルで簡単に作れるレシピも公開中。ぜひご覧になってください。

2021.5「あさりと筍のパエリア」のレシピはこちら



参考: 特になし

オフィシャルメンバー:滝野香織

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